多肉植物薄氷アイキャッチ

多肉植物

多肉植物 薄氷(姫朧月)はどうして徒長するの?

多肉植物の薄氷。
儚げな色と見た目に反し、とんでもなく強健で人気のある品種です。

さて、この記事にたどり着いた方は恐らく薄氷がどうしても徒長してしまう、とお困りの方が多いのではないでしょうか。

私もしっかり光にも当てているはずなのに、なぜか徒長してしまう、自分の栽培方法が間違っているのかも!?という状態におちいってしまいました。

今回はそんな方に向けて「薄氷がどうして徒長するのか」を解説します。

うららか

栽培方法でお悩みの方の少しでもお力になれましたら嬉しいです。

薄氷はなぜ徒長するのか

結論から言うと、薄氷が徒長するのは「栽培方法が問題ではありません」。

もちろん日光不足でひょろひょろっと伸びてしまったものは徒長の可能性があります。
しかし、しっかりと日光に当てているのにもかかわらず、上へ伸びてきた場合は元気に育っている証拠です。

では、なぜ日光に当てているのに上へ伸びてしまうのでしょうか?

薄氷はエケベリアではない

薄氷は見た目がエケベリアに似ているため間違えられることがありますが、実はグラプトベリアです。

グラプトベリア画像

グラプトベリアとは「エケベリア」と「グラプトペタルム」を交配して作られた多肉植物のことを指します。

そこで私は「グラプトベリア」と交配していることに鍵があるのではないかと考え、薄氷という品種について調べることにしました。

薄氷の親の品種は?

多肉植物を知る上で重要なのは、親を知ることです。

うららか

たとえば、ラウイを親としてもつ交配種ならば
夏は遮光するべき、
などの育て方のヒントを手に入れることができますよ!

そのため、さて薄氷の親は誰なんだい!?と思いながら調べたのですが……出てこない。

普及種(流通量の多い品種のため手に入りやすい品種)としてすでに浸透してしまっているためなのか、交配の情報がまったく出てきません。

ですが、薄氷の強さと強健さと葉の形からほぼ「朧月」ではないかと予測しました。

グラプト系の品種は朧月との交配が多いです。

理由として朧月は増えやすく・育てやすく・強い、という特徴があり、交配するとその性質が色濃く出る品種ということがあげられます。

また、朧月は葉ざしでも増えやすいため、実際に育てていて薄氷もほぼ100%の確立で葉ざしに成功していました。

薄氷朧月
うららか

写真で比べると似ているのが分かりますね。
薄氷の方が小ぶりですが、ロゼットの形が似ています。

朧月の特徴は?

さて、もう片方の親は?という疑問が残りますが、いったん頭の隅に置いておきます。

片親であるエケベリア属の親は情報が少なく断定が出来なかったため、朧月を買ってきて交配しまくるしか解決方法が浮かびませんでした。

何年かかるか分からないため諦めます。

うららか

今は諦めますが……
大きな庭を手に入れたらやりたーい!!!

さて、気を取り直して、「朧月」の特徴です。

  • 日向・日陰関係なく育つ
  • 寒さ・暑さに強い
  • 繁殖力が強く良く増える
  • 育てやすいので朧月を品種改良し「グラパラリーフ」という食品名で食用として売られている
  • 長期間育てていると茎が伸び、下の葉が枯れて落ちることがある

そう、最後の項目が薄氷の茎が伸びる原因なんです!

朧月は必ず伸びる?

朧月に起きる日に当てているのにもかかわらず、茎が伸びてしまう現象。
これは幹立ちや木立(きだち)と呼ばれます。

幹立ち写真

どう育ててもしばらくするとびよーんと伸びてしまうんです。

実際に育てている方々は幹立ちすることによってさし木がしやすくなるので、仕立て直しもかねてカットしてしまう方が多いようですね。

伸びた後は倒れこむように成長します。

うららか

やっと、薄氷が伸びる原因が分かってきましたね!

薄氷が伸びる理由

薄氷が伸びる理由、ズバリそれは親に「朧月」が入っているから、です。

しっかり育てていても徒長するかのように、どう頑張っても上へ伸びてしまいます。

育て方が悪いのかも……と悩んでいた方も安心してくださいね!

薄氷が上へ伸びたい!という習性を受け継いでしまっているのですから、私たちにはどうにもできません!
鳥が飛び方を覚えて空を飛ぶように、薄氷もいつか茎が伸びてしまうんです!

鳥に比べると地面から数cm程度しか上に移動できていませんね!
だから大丈夫です!!(?)

まとめ

今回は薄氷はなぜ、徒長してしまうのかについて記事にしました。

薄氷は朧月の特性を強く引き継いでいるため必ず上へ伸びてしまう運命なのです

徒長はダメなこと?

さて、最後になりますが私は徒長=ダメなこと・失敗、幹立ち・木立=正しい・良いこと とは思っていません。

徒長は植物からの日光が足りていない、というサインですが、植物を育てている方にもそれぞれのライフスタイルがあります。

  • 多肉植物が好きだけれど、冬は雪のため外には出してあげられない人。
  • 家の庭で育てていたけれど、マンションに引越すことになった人。
  • ベランダが狭く、外に出すことが難しい人。

1人1人、環境・植物に割ける時間・使えるスペースは違います。

植物の愛し方も1人1人違います。

徒長させてしまうのはダメなこと、上手く育てられていない、そんなことは気にせず植物を楽しく育ててほしい、ということが皆さんに1番お伝えしたい本音です。

それぞれの環境にあった育て方をすればいいんです!

徒長しても元気ならそれでいいんです!

栽培に100%はありません!枯らしてしまってもまた挑戦すればいいんです!

長々と書いてしまいましたが、多肉植物を育てる皆さんに少しでもエールを送ることができたなら嬉しいです!

うららか

それでは、皆様!ごきげんよう~!

-多肉植物